憲章

1.背景

これまでわが国の製造業は、優秀な生産技術、生産システムの開発・導入により国際競争力を維持してきたが、国際的な社会・経済環境の大きな変化の中で転換を余儀なくされ、その対応を模索しているのが現状である。

こうした中で、情報通信技術の急速な発展は生産技術分野に多大な影響を与えつつある。とりわけ標準化/オープン化の動きは、固有のFAコンポーネントに対応してきたベンダ、ユーザに対し、FA機器の開発、システムの構築や運用に大きな変化をもたらした。

製造現場にも、今後はパソコン、ワークステーションを活用したオープンネットワークが普及し、分散/オブジェクト指向等の新しい情報インフラが整備されて、これらインフラに適 合したオープン型のFAコンポーネントが普及していくものと考えられる。こうした今後の生産技術の方向に対して、1ベンダ、1ユーザが個別に対応していては、システム構築の効 率も悪く、安価なコンポーネントの提供も難しくなることから、関連する多数のベンダ、ユーザが相互に協力し、FA関連技術のオープン化推進のための活動が必要となる。

2.目的

「FAオープン推進協議会」は、生産に於けるデータ交換・管理・制御などの情報プロセスをこの新しい環境に適合させるために、生産現場のFAコンポーネントからその活用技術、 さらにはFA/CIMの構築技術をオープン化の側面から推進するために関連技術の調査・ 研究・開発を行うと共に普及促進活動も併せて行い、オープン化された生産システムの環境の促進に寄与する。オープン化された生産システムの環境とは「ユーザが機器やソフトウェ アをマルチベンダー環境で容易に選択、調達でき、システム構築が安価に、たやすく可能になっている環境。」を言う。

3.活動理念

FAオープン推進協議会が活動する基本的な原則を以下に示す。

1) スタンダードの尊重
情報通信分野においては、既に確立している国際標準やデファクトスタンダードが多数存在する。また現在も将来に向かって多数の標準化の推進活動が国内外で行われている。このためこれら標準や標準化活動を極力尊重し、本協議会の活動を推進することを原則とする。
2) FAの特徴的機能の尊重
製造業の情報システムでは、他の産業のシステムに比べ以下の特徴的な機能が要求される。
  • タイムクリティカルなアプリケーションへの対応
  • システムの信頼性
  • システムの拡張、変更の容易性
これらのFAの特徴的な機能を考慮することは、FA/CIMに関連するユーザ、ベンダの要求であり、これら機能をオープン化の中で反映させる。
3) ユーザ尊重
オープン化技術はあくまでユーザ主導、ユーザニーズに合わせて、ベンダーが最適な技術で対応することを原則とする。このためユーザニーズをオープン化対応製品に反映させるための活動を行う。
4) オープン化対応製品の普及の促進
FA/CIMオープン化に基づいて開発された製品の普及を容易にするための活動を行う。
5) 活動成果の公開の原則
本協議会の活動で得られた成果は基本的に公開を原則とする、公開の方法は別途運営指針で定める。オープン化技術はあくまで公開され、広く関連業界で活用されて始めて、協議会会員であるユーザ、ベンダがメリットを得るものと考える。
6) 活動成果の国内外への発信
一般の情報通信の世界ではオープン化技術は残念ながら欧米からの発信に基づくものが多い。しかしながら生産技術はこれまでわが国が世界に発信してきた分野であり、オープン化技術もわが国から発信される期待は大きいと考えられる。これはわが国が今後も生産技術で世界をリードしていく ための責務であり、わが国の製造業の発展に不可欠である。
7) 活動成果の継続・維持
オープン化を推進していくためには、活動成果の維持・継続が不可欠である。
これらに関わる技術は、維持・継続・保守が十分になされる事が保証されないとユーザ、ベンダとも技術の活用には踏み切れない面を持っている。
この課題に解を提示し、実施することに最大の努力を払う。

4.活動内容

FAオープン推進協議会は、製造業のFA/CIM構築に関連する技術を対象に、FAシステムのオ ープン化の推進のために以下の事業を行う。

1) FAオープン関連技術の調査、情報の収集
FAオープン化に関連する調査、情報収集活動として以下の領域の活動を行う。
  • 国内外の関連技術の動向の調査
  • 将来の生産システムの調査研究
2) FAオープン関連技術の研究・開発
FAオープン化に関連する研究開発として以下の3つの分野に関わる研究開発を行う。
  • 生産システム構築技術の研究開発
  • FA用オープン通信環境の研究開発
  • FAコンポーネントのオープン化技術の開発
3) FAオープン関連技術の普及・促進
FAのオープン化を推進のための内外に向けた普及促進活動を様々な広報手段を用いて行う。
4) 成果物の保守・運営
本協議会は、FAのオープン化に関する活動成果物を広く公開し、提供情報の保守・運営活動を行う。
5) 会員相互の情報交換、交流
本協議会に参加するメンバが等しく、以下に述べるようなFAのオープン化に対する情報が享受でき、 会員相互が情報交換できる活動を推進する。
  • 国内外のFAオープン化技術の動向
  • 将来の生産システムの動向
  • ユーザニーズ
  • ベンダの関連技術の開発状況
  • 他の関連団体の同種の活動状況
  • 研究開発成果物
6) 関連機関との協力・調整
国内外標準化/オープン化開発、推進機関との情報を共有化すると共に、効率の良い研究開発、普及 促進の為の情報交流、協力、調整を行う。

5.活動の仕組み

1) 活動への参加
本協議会の活動への参画は、協議会の主旨に賛同する全ての企業、機関、個人を対象とし別途定める会則により活動へ参画することが出来る。
2) 組織
協議会における個々の活動の運営は、会員、学術メンバを主体とする委員会を構成し、これにあたる。 財団法人製造科学技術センターは、これら諸活動の事務局を努め、運営をサポートする。
3) 会則、運営指針
協議会の具体的運営方法は別途定める「会則」、「運営指針」による。
  • 平成8年11月27日制定
  • 平成9年 6月19日改訂
  • 平成14年 5月30日改訂